”ラフレシア” 福井さん インタビュー ※2016年12月の記事です

今回はアロワナファンなら言わずと知れた有名店”ラフレシア”の福井さんに興味深いお話しをたくさん伺ってきました。

ラフレシアさんといったら繁殖のイメージが強い方思うのですが、一番最初に繁殖をさせた時は、最初から狙ってたんですか?

いえ、偶然ですね。混泳している水槽から二匹を分けて産んだって感じですかね。

分けてからペアになったのですか、それともペアになったからわけたのですか?

あの時はね~、ペアになったのを分けましたね。二匹すり寄ってるのがいて、その二匹を分けましたね。そしたら勝手に産んで、勝手に咥えて。

人口孵化は世界初だったんですよね。

そう、赤と紅金だったね。

赤と金だと、金の方が繁殖しやすいイメージがあるのですが、違いはあるのですか?

赤は現地でも6歳以上じゃないと取れないですね、出来れば8歳~10歳くらいいかないと…金は早いと3歳から取れちゃうからね。

寿命の長さは変わらないんですよね?

寿命はたぶん変わらないんじゃないですかね。天然だと30年とか40年とか生きるでしょうね。だからそれから考えると10歳って若いですよね。

そうですね~、人間でいったら20歳とかそんなもんですかね。

そうそう。

人口孵化成功した後、問い合わせが結構きたと聞いたことがあるんですが。

挑戦されている方も多いので、ノウハウを聞こうと問い合わせてくる方もいますね。

人口孵化がはじめてで、世の中にまだノウハウがまだなかったわけですが、福井さんは偶然できてしまったということですか?

そうそう、偶然。

じゃ、自分でもびっくりでしたか?

びっくりしたというか、簡単に成功してしまったから簡単なんだなって思いましたね。アロワナの繁殖ってすごい簡単なんだなって最初思いましたよ。1回目2回目の時は…誰でもでる、全然難しくないじゃんってね思いましたよ。その後は苦労しました…10年間くらいは、失敗ばっかりで。

どの段階で失敗するのですか。

産んでからですね…産んで咥えるところで失敗したり、産んで1週間で卵が無くなったり。

無くなるっていうのは、飲みこんでしまうということですか?

そう、飲みこんで無くなっちゃう。だから最初の2回が単にラッキーだったんですよね。技術があったからできたんじゃなくて、ただ運が良かったから2回成功して、2回で50匹以上取ってるんですよ、2回で。

へ~、すごいですね。

なんだ簡単なんだ~って思ってたんだけど、その後の10年が全然取れなかったから、実は難しいんだって思って、そこから勉強しましたね。

その10年間の失敗で経験値はかなりあがったんじゃないですか。

そうですね、失敗の経験はかなりしました…今まで産ませた卵の数ならウン千個は絶対にいってるから。

赤と金どちらが多いのですか?

基本的には金ですね、金の方がやりやすいので金を狙ってやってました。赤はその後でいいやと思ってたし、金の親を集めるのが簡単だった。

最初は混泳させてて、ペアになったのを出すというやり方ですか?

そうですね、最初はそうしてました。

今は違うのですか?

今は狙ってますね、どれとどれって決めてから…

オスメスははっきり分かるのですか?

70%~80%くらいの確率では分かるかな…大きくなってるのは分かりますよ。

顔の形でですか?

そう、あと体とね。

いま日本でアロワナの養殖場ってないと思うのですが、沖縄とか温暖なエリアだったら出来ると思いますか?

どうだろね~、コスト面では沖縄とか地熱を利用できるエリアとか…

日本でやってない理由っていうのは気温だけの問題なんですかね。

ん~、成功するかどうかも分からないし、お金もかかるしそこまで踏ん張れる人がいないんじゃないですかね。100万200万じゃできないだろうから…そこにドンとお金入れて。自信がないからみんなやらないんじゃないですか。僕は逆なんですよね、池にこだわってなくて小さいのにこだわってるんですよね。なんでかって言うと、池で取れてもほとんどの人は真似できないじゃないですか~、例えば10メーターの池で取れても、じゃぁ僕もやってみようなんて人は、金銭的な意味でいないじゃないですか。だからそうななくて一般の方がもっている水槽で繁殖できるようになった方が、皆さん楽しめるかなっていうスタイルです、1200~1800くらいで。

1200で出来るんですか?

できますよ、実際内でやるときは水槽仕切ってますが1200のスペースしか使わないから。産ませて咥えてブリーディングするだけだから。そこを目指したいんですよね。逆に現地じゃできないことだし…現地だけじゃなくて世界中で出来ている人がほぼいないんでそこを目指していければいいかなと思ってます。

とても神秘的な映像ですよね

福井さんは小さな時から熱帯魚が好きだったんですか?

中学校くらいからなないですかね。

最初は何を飼育されたんですか?

モーリーとグッピー、水草植えてね。(笑)

やっぱり最初は一般的な小型魚からなんですね。

そうそう、ホームセンターで買ってきたからね。

コリドラスとかいれてみたりして(笑)

そうそう(笑)

それはご両親の影響とかですか?

いえ、小学校のころから金魚は家にずっといたんですけど、自分で買い始めたのは中学生くらいで…ネオンテトラの水槽にシルバーアロワナを入れたんですね。そしたら次の日ネオンテトラが減ってて、なんで減ったのか分からなくて。次の日見たらまた減ってて、その時見てたら目の前でシルバーがネオンテトラを食ったんですよ。うっ、こいつネオンテトラ食いやがった!!って思って、なんてかっこいいんだろうって思って(笑)、そこからもうアロワナです。

真っ赤なアロワナとか金のアロワナを見て惚れたとかじゃないんですね(笑)

大事に飼ってたネオンテトラを食ったのをみて感動したんですよ。食われちゃった~、じゃなくて、コイツすげぇかっこいいぞって思った(笑)その後何匹もシルバー買ってきてね。

どんどん大きくなっちゃいますよね。

最初買ってきたのが、大きくなってその後買ってきたのが殺されちゃったんですよ。それを見てまたかっこいいぞってなっちゃって、喧嘩するぜこいつらみたいな感じで(笑)それでブラック入れてみたりしてさ。

その頃は赤いアロワナとかはあまりいなかったんですよね。

いなかったですよ、ちゃんと密輸…ちゃんと密輸って変か(笑)正規でほぼはいっていない時代だから、グレーの時代だったか、見るのもほとんどできなかったですよね。

グレーっていうか、黒だったんじゃないんですか?

微妙なラインですよね。それからだんだん熱帯魚の本とか買うようになってきて、どんどんのめり込むようになってきて、買うお金は無いから、じゃぁ熱帯魚屋さんで働こうと思って、仕事辞めて。

その時はサラリーマンだったんですか?

その時は日立製作所にいて、エレベーターの設計やってたんですよ。コネで入っただけですけどね。

熱帯魚屋さんっていうのは、アロワナとか大型魚専門ではなく、普通の熱帯魚屋さんですか?

○○です(某有名アロワナ専門店)。

え?○○で働いてたんですね。

そうなんですよ。僕は茨城出身で、向こうには水戸熱帯魚センターしかなくて、スタッフがいっぱいだったから募集してないだろうなって思って、あの当時毎週こっちの方きてたんですよ。茨城からこっちきて熱帯魚屋さんをぐるって回ってまた帰るみたい生活をしてたんですけど、それ結構大変でお金もかかるし、じゃぁ働こうって思ってこっち引っ越してきたんですよね。で、○○に勤めて、1年くらいで辞めて。その時にアロワナ屋をつくった人がいて、そこで7~8年店長やらせてもらって、その後独立しました。

今でもその店はあるんですか?

いえ、もうないです。

アロワナやってて、影響を受けた人いますか?日本人外国人問わずで。

そうだね~、やっぱディナミカカプアスのヒヤンさんとかかな。ディナミカカプアス作った人なんだけど…やっぱりあの人に一番影響うけたかな。

ディナミカ・カプアスの創設者ヒヤン氏

もう付きあいは長いんですか?

ウン十年ですね。インドネシアでもすごい苦労されて、アロワナのビジネスをやってきた、今みたいにアロワナの養殖場がいっぱい無い時代だから、手探りでやってて。

イメージだと向こうでアロワナの養殖やっている方って、苦労したというよりは富豪がやっているイメージがあるのですが。

ヒヤンさんは違いますね。まぁ、お金もなくはなかったのかもしれませんけど、朝から晩まで水替えして、池掘りも自分でやってて言う人だから…ヒヤンさんから昔の話を聞くとすごいなって思いますよね。

それはちょっと意外ですね。

今の養殖場ってのはお金出してバンバンやっちゃってるのかもしれないけど、あの人はもう手探りでやった人だから。

職人気質な人なんですね。

そう、もう頑固職人。気に入らなきゃ買わなくていいって感じの人(笑)

笑)けどアロワナの世界だとピッタリの人ですね。

エンパンさんなんかもそうですけど、すごく昔から養殖やってる社長さんなんかにはすごく影響うけたかな、精神面でね。苦労した話をたくさんしてくれるから、勉強になるし負けちゃだめだねって思えますよね。その人たちでも水槽内での繁殖はできないから、その部分では負けたくないですよね。向こうの人達も言い切りますよ、水槽内では繁殖はできないって。

やっぱりいつもあたらしいファームとかも探されてるんですか?

探してますよ。

どうやって探されるんですか?

友達の紹介とかかな。でも本当にいい所はすくないですよ。名ばかりの養殖場が多いし、つくってないで買ってるってとこもいっぱいあるし、質にこだわってないと意味ないし。そんなとことつきあってもしょうが無いしね。友達としてはいいですけど、ビジネスとしては付きあえないですよね。まぁ一応新しいところも見ますけど、古くて長くずっと養殖場をやってる安定してるし、ノウハウももってるし。

今回仕入れで何日か押してましたけど、何かあったんですか?

サイテスの書類が切れちゃったんですよ(笑)ディナミカカプアスのジミーが病気になっちゃったし、インドネシアでデモもあったんですよね。

いろいろあったんですね(苦笑)

選別に行った時も38度以上の熱出して、インドネシアでぶっ倒れてたんですよね、薬飲みっぱなしでね。で帰ってきたらサイテスは切れちゃってるし、ジミーも病気になっちゃうわ、デモはあるわで散々でしたよ(笑)

仕入れで苦労するなって感じるとこあったら教えてください。

お客様のニーズに合わないとだめだと思うんですよね。買ってきても売れないんじゃ話にならないし、だからいいアロワナでそれに合ったプライスで出さなきゃならないから。お客様にあった金額でね。仕入れがあるからいくらでも安くできるわけじゃないし、時期によっても変わってきますよね。

どういうことですか?

今だったら赤だなとか、このくらいの値段の方が受け入れられるなとか。いいアロワナだけを集めるのは簡単なんですよね、高くなりますけど、まぁまぁのアロワナだけを買ってくるのも簡単なんですよね。回転させないと店も続かないので…例えばグリーンとか紅金とかバンジャールもやってますけど、それが好きかというと、それはあくまでも商売だし。いいアロワナだけで、やっていけたら世話ないんですよね。それで輸入してきちんと100匹売って、また次また買い付けに行くというのも現地とも信頼関係につながるわけでしょ。だいたい多くの人は長く続かないんですよね、ファームと日本側が。信頼関係の問題でね。特にインドネシアなんかトラブルでやすいんでね、なので長く続けていくということは簡単ではないですよね。安くしろだけでも駄目だし、高くても駄目だし。向こうの利益も考えなきゃいけないし、こっちも利益を出さなきゃいけないし、売れるアロワナでなくては駄目だし。養殖場だけが儲かったり、お店だけが儲かったりではなく、養殖場とショップとお客様の3つが納得できて、綺麗な三角形が描けるようにしないと長続きはしないよね。

なんか深い話になってきましたね(笑)

なんか三角形の話はいいね~(笑)

そうですね(笑) それとちょっとお話変わるんですが、ガーが特定外来生物に指定されて輸入と販売ができなくなりますが、それについてどう思われますか?

販売は絶対に禁止してはいけないんですよね、今は輸入量がとても増えていて、買えなくなるから欲しい人が増えてる一方、実はそんなに欲しくないのに買ってしまっている人も多くて、規制前に密放流になっちゃうから、なんでかっていうと規制前に捨てちゃえば罰則がないからね。環境省にも言ったんですけど、輸入を禁止にしてくれって言ったんですね、売買を禁止にしないで輸入を禁止にすれば日本国内は増えないんだから。今はガーの輸入量はたぶん3倍以上になっちゃってますよ。環境省の人にも伝えたら、そんなに増えてるんですかってびっくりしてましたよ。

もうひとつお聞きしたいのですが、過背金龍を薬で色上げしてるというのがあったかとおもうのですが、それについてはどう思われますか?

どうだろうね、薬を使っているところもあったのかもしれませんが、実際薬使っているところとは付き合いがないんで~、分からないけど薬なんか使っているところは長続きしないよね、5年も10年も続くわけはないから~。少なくとも僕が付き合っているファームは薬は使ってない。でも使っているところがあるというのは聞いたことはあるよね。

今後のアロワナ業界に必要なことはなんだと思いますか?

やっぱりすごいアロワナをたくさんの方に見せることだと思います。価格競争だけでなく、すごいアロワナ、こんな魚みたことないな~、と思わせること、それはうちだけではなくて、各ショップができれば。すごいアロワナを見せ続けることじゃないですかね。かな~(照笑)

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